CPC・コンサルティングでの
活用事例

東葛病院 病理診断科 医長

小野 ゆり先生

※インタビュー当時のご状況であり、現状とは異なる場合がございます

1983年に千葉県流山市下花輪に開設された東葛病院は、1993年6月に医療法人財団東京勤労者医療会東葛病院となり、2016年5月につくばエクスプレスの流山セントラルパーク駅前に移転。「無差別平等の医療」を理念の中心に据えて、地域に根ざした医療活動を展開しています。

複数病院を繋いだCPCやコンサルティングでの活用
業務効率化と診断の精度向上に成功

PidPortとImagingCenterの導入背景や活用事例について、病理診断科 医長 小野 ゆり先生にお話を伺いました。

導入前の課題

  • 剖検数や検体数に対しスキャナーが高額で、管理する人手もなく、病理標本のデジタル化を悩んでいた。
  • コロナ禍で医師の移動制限が生じた高齢のエキスパート病理医の出勤や他院への持ち込みコンサルティング、専門医研修に有用な症例カンファレンスが困難になった。

導入後の効果

  • CPCやコンサルティングなど、それぞれが標本の所在する病院に赴くことなく、病理デジタル画像を閲覧することが可能になった。
  • スキャンの代行により、精度管理やスキャナの操作時間を節約することができた。
  • オンラインツールで病理デジタル画像を共有しながら、他施設間(エキスパート病理医の自宅からの参加も含む)でオンラインカンファレンスができるようになった。
  • 学会などへ報告予定の外科病理症例や、貴重なCPC症例をPidPortに保管、常時利用者間でアクセス可能となった。

なぜPidPortとImagingCenterを導入することにしたのか教えてください。

病院が新しく移転したことをきっかけに、病理診断科としては高い精度管理レベルを目指し、デジタルで病理標本を保存していき、診断困難例や緊急性の高い症例については遠隔病理診断を可能にする計画を立てました。
まずはWSIスキャナーの導入を検討したものの、撮影の手間・頻度、運用方法については、多くの準備や高額な費用が発生するため、見送っておりました。

その後コロナ禍となり、医師の移動制限が生じ、高齢のエキスパート病理医の出勤や他院への持ち込みコンサルティングや専門医研修に有用な症例カンファレンスが困難になって悩んでいたところ、メドメイン株式会社の病理ガラス標本WSI化の委託業務(ImagingCenter)とクラウドでの迅速なWSI供覧サービス(PidPort)があると知り、WSI撮影・保管と遠隔かつ他施設からの閲覧共有が解決可能なメドメインのサービスを利用することに決めました。

PidPortとImagingCenterの具体的な活用方法について教えてください。

※画像はイメージとなります。
2ヶ月毎に100枚程の病理標本の撮影をメドメイン株式会社の病理ガラス標本WSI化の委託業務「ImagingCenter」に依頼し、作成してもらったWSIを「PidPort」へアップロードしてもらっています。
その症例データをもとに、当科を軸にみさと健和病院、小豆沢病院、王子生協病院、城南病院までを「PidPort」の閲覧可能範囲に広げており、腎生検カンファレンスや、婦人科症例のコンサルティングやオンラインCPCを開催しております。

カンファレンス直前には標本が手元に戻っているように、返送のスケジュール調整などもお願いしており、業務の負担が少なくとても助かっております。

実際にPidPortとImagingCenterを利用した感想、導入の効果などお聞かせください。

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※画像はイメージとなります。
遠隔地に赴くことなく病理画像を閲覧することが可能なので、診断の精度向上と業務効率が上がったと感じています。

また、WSIのデータ保管も自院でサーバーを設置することなく、簡単に保管し、タブレットやスマートフォンでも閲覧することが可能なので、確認やアクセスが簡単で早く済み、大変助かっています。

メドメインのシステムは、病理医のいないまたは少ない病院と病理診断科のある病院を繋ぐ素晴らしいシステムだと思っております。また、診療報酬上も3人目の病理医によるデジタル診断が可能となっており、産休・育休・介護中の病理医や、他科と兼務する病理医の力を生かせ、サブスペシャリティを高いレベルで維持し活躍の範囲を広げられると非常に有用だと思います。まだ診療報酬には含まれていないものの、病理外来やセカンドオピニオン外来などでの利用も期待できると思います。これからも多くの施設で、実臨床や教育目的での使用が増えることを期待しております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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