カンファレンス・コンサルティングでの活用事例

東京医科大学病院 病理診断科科長 兼

東京医科大学 人体病理学分野主任教授

長尾 俊孝 先生

※インタビュー当時のご状況であり、現状とは異なる場合がございます

東京医科大学病院は、丸ノ内線西新宿駅前の超高層ビル街の一角に位置する代表的な都会型大規模中核病院である。当院病理診断科は、年間の病理組織診断件数が17,000件を超えるハイボリュームセンターであり、また、都心に位置するところから、難解例が極めて多い。さらに、当院は全国の大学病院の中でも突出して病理専門医・指導医数が多く、かつ様々な分野(臓器)の病理診断に精通したベテランの専門家が揃っている。臨床各科との交流も盛んで、病理診断科内外とのカンファレンスも定期的に多数行われている。

複数病院を繋いだカンファレンスでの活用
-カンファレンスの円滑化と診断精度向上に寄与-

PidPortの導入背景や活用事例について、東京医科大学病院病理診断科科長 兼 東京医科大学人体病理学分野主任教授の長尾 俊孝先生と同助教の助田 葵先生にお話を伺いました。

導入前の課題

  • 新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、一同が集まる臨床科との合同カンファレンスの開催が制限されてしまった。
  • 種々の院内カンファレンスに院外のコンサルタントを招いて病理標本を用いた症例解説を行っていたが、それには遠方から来院していただく必要があった。また、コンサルタントによる標本の下見が困難であった。
  • 他施設の病理医と症例検討会を開催していたが、カンファレンス会場の確保とスケジュールの調整が必要であった。また、感染症対策のため開催が制限されてしまった。
  • 難解症例のコンサルテーションや国内外の病理医との共同研究を行う際に不便を感じていた。

導入後の効果

  • オンラインでカンファレンスが開催できるようになったため、新型コロナウィルス感染症の蔓延下でも、臨床科や他施設の病理医との合同カンファレンスが開催可能になった。
  • オンラインでカンファレンスに参加することが可能になったため、開催場所を気にすることがなくなり、参加者のスケジュール調整が容易になり、効率的にカンファレンスが開催できるようになった。
  • 院外から招いていたコンサルタントには、遠隔操作によりオンラインで参加していただくことが可能になった。また、コンサルタントにカンファレンス前に標本を下見していただくことで、症例を十分把握した上での深い解説が可能となった。
  • ガラススライドのやり取りをせずに済んでいるお陰で、手軽に専門家へのコンサルテーションや共同研究者との情報共有ができるようになった。また、特に海外の病理医とはバーチャルスライドスキャナー固有のビューワーを必要とせずにWSIを観察できるメリットが生まれた。

なぜPidPortとImagingCenterを導入することにしたのか教えてください。

当院では、血液内科・腎臓内科・皮膚科などの臨床科と、院外のコンサルタント医師を招いた合同カンファレンスを定期的に開催しておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症が蔓延したため、一同が集まる合同カンファレンスの開催や院外のコンサルタントを院内に招待することに制限がかかるようになりました。そんな時に、メドメイン株式会社のクラウドでの迅速なWSI供覧サービス(PidPort)があると知り、院内ネットと切り離した安全な方法でWSI等の資料を院外の先生と簡単に共有することが可能なメドメインのサービスを利用することに決めました。

PidPortとImagingCenterの具体的な活用方法について教えてください。

※実際のカンファレンス風景
定期的(約1-2ヶ月に1回)に開催される各臨床科との合同カンファレンスや他施設の病理医との症例検討会の際にPidPortを利用しております。WSI取り込みなどの取りまとめは病理診断科で実施しており、カンファレンス当日は病理診断科のカンファレンスルームやその他の場所からオンラインで十数人が集まり、活発な議論が行われております。接続はZoomで実施し、PidPortを画面共有状態にして進行しております。院外コンサルタントの先生方(埼玉医科大学 腎臓内科 井上 勉先生や、東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 中村 直哉先生)には事前にPidPort上でWSIをご確認いただいておりますので、円滑にカンファレンスを進行できています。
また、オンラインでの参加となるため、当院に来院していただく必要はありません。カンファレンス終了後もPidPort上にWSIがありますので、各参加者がいつでも病理標本を観察できることにも利点を感じております。
また、他施設の専門家へのコンサルテーションや国内外との共同研究におけるWSIの共有にもPidPortを多用しています。

実際にPidPortとImagingCenterを利用した感想、導入の効果などお聞かせください。

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※画像はイメージとなります。
PidPortは一般のインターネット回線からアクセス可能なクラウドシステムなので、多人数の接続が可能なことに利便性を感じております。
また、オンラインでのカンファレンスに切り替えたことで、院外コンサルタントに来院していただく手数をおかけする必要がなくなりました。また、当院のカンファレンス参加者についても院外からも参加可能になったことで、スケジュール調整が容易になり、多忙な業務の中でのカンファレンスをより効率的に実施でき、とても助かっております。新型コロナウィルス感染症による制限が解消された後も、オンライン開催を継続したいと考えています。
カンファレンスではその都度メドメイン株式会社担当者の方にフォローしていただいております。カンファレンス運営に関するフォローのおかげで円滑な進行が可能となり、いつも感謝しております。今後とも変わらぬフォローのほど、引き続き宜しくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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