カンファレンス用途での活用事例

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス
海老名総合病院

腎臓内科 部長 香取 秀幸 先生

病理診断科 部長 山田 正俊 先生

※インタビュー当時(2024年10月)のご状況であり、現状とは異なる場合がございます

地理的制約を超え、オンラインカンファレンスをより身近に。

PidPortの導入背景や活用事例について、海老名総合病院 腎臓内科 部長 香取 秀幸 先生と病理診断科 部長 山田 正俊 先生にお話を伺いました。

導入前の課題

  • カンファレンスは病院で対面形式で開催されており、遠方からお越しいただく専門医にとって大きな負担となっていた。
  • 参加者のスケジュール調整が難しく、地理的制約から参加できる医師にも制限が生じていた。      

導入後の効果

  • PidPortを導入したことで、カンファレンスを完全オンラインで開催でき、移動の負担が解消され、日程調整もしやすくなった。また、地理的制約がなくなり、より多くの医師が参加できるようになった。

  • イメージングセンターを併用することで、プレパラートのスキャンやWSI作成に手間をかけることなく、カンファレンスの運営がしやすくなった。

海老名総合病院様では、腎生検カンファレンスでPidPortをご利用いただいていると伺いました。導入経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。

 当院では、腎臓生検の症例について専門医と共にカンファレンスを実施し、診断や治療方針の検討を行っています。具体的には、月に一度、聖マリアンナ医科大学 医学部大学病院 病理診断科 部長 主任教授 ( 診断病理 )小池淳樹先生にお越しいただき、当院の腎臓内科医や病理医など、約10名で症例を検討しています。この取り組みは数年前から続いており、腎臓病理学のエキスパートである小池先生からアドバイスをいただくことで、より正確な診断と適切な治療に繋げることができるため、非常に重要なプロセスと考えています。

 一方で、カンファレンスの実施には課題もありました。小池先生がいらっしゃる聖マリアンナ医科大学から当院まで来院いただくには、移動に時間がかかり、大きな負担をかけてしまっていたのです。お車での移動では渋滞に巻き込まれることもありますので、拘束時間も長くなってしまいます。日程の調整も容易ではありません。
 そこで、病理画像を各自の施設からアクセスできるシステムを探していたところ、クラウドで画像を共有できるPidPortと出会いました。また、イメージングセンターを併用することで、バーチャルスライドの作成もメドメイン社に委託できるという点にも魅力を感じました。

PidPortをご利用頂き、カンファレンスの運用にどのような変化がありましたか?

 PidPortを導入したことで、カンファレンスは完全にオンラインで開催できるようになりました。これにより、小池先生におかけしていた物理的な移動の負担がなくなり、拘束時間が大幅に短縮され、日程の調整も柔軟に行えるようになりました。さらに、地理的な制約が解消されたことで、遠方の病院に勤務されている先生も気軽に参加できるようになりました。
 現在は、静岡にある関係施設の先生にもご参加いただくなど、結果として、オフライン開催時と比べ、より多くの先生方に参加いただける環境が整ったこともメリットの一つと言えるでしょう。
対面でのカンファレンス風景

 事前準備に関しても、イメージングセンターを利用することで自施設でスキャニングを行う必要がなく、準備に手間がかからない点も便利に感じています。また導入当初、実務では顕微鏡での観察に慣れている先生も多いため、PidPortの使用に対して使いづらいという声も心配されましたが、参加された先生方にアンケートを取ったところ、「複数人で画像をシェアできるため、所見の共有がしやすい」といった意見や、「倍率を自由に変えることができるため、顕微鏡のワンショット写真だけではわからなかった部分の情報もWSIなら容易に確認できる」といったポジティブな声が多数寄せられました。小池先生からも、「PidPortは操作性が良く、顕微鏡とほとんど変わらずにカンファレンスが実施できている」とのお言葉をいただいており、現時点ではカンファレンスのオンライン化は大成功と言えるでしょう。

PidPortをカンファレンス利用でご検討されている先生方にメッセージはございますか?

 全国的に見ると、地域によっては専門医が不足している現状があります。特に、腎臓内科や皮膚科などの専門的な視点を必要とする領域では、距離の制約によってカンファレンスに参加できない医師も少なくないのではないでしょうか。PidPortは、このような地理的な壁を乗り越え、全国の医師がつながり、治療方針を共に検討できるプラットフォームになり得るシステムだと思います。
 オンライン化によって、専門医同士の迅速なコミュニケーションが可能になることで、カンファレンスはより身近で効果的なものとなるでしょう。これまで難しかった専門医との連携が実現し、地域格差の解消やより多くの患者さんへの質の高い医療提供につながるかもしれません。今後、他の病院や診療科でもオンラインカンファレンスが広がり、多くの患者さんがその恩恵を受けられるようになることを期待しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

お役立ち資料

関連記事

病理診断の業務負荷を
私たちのテクノロジーが解決します。